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リハビリテーションコラム

2021.06.29

【第2回】脳卒中と運動

脳卒中になった後は?

 脳卒中になった後でも身体活動量を維持した方が良いと言われています。入院中や退院後も脳卒中患者が機能を維持、向上させるためには日々の身体活動量を確保することが重要と言われています。

どのような運動をすると良い?

 立位や歩行を中心とした重力に抗した運動をすることです。歩けなくてもベッド上で寝てばかりではなく、起きて過ごすことが重要です。脳卒中患者に対し立位や歩行などの重力に抗した活動の増加が、身体機能を改善することは明らかになっており世界の常識と言えます。しかし現状では、歩行可能な脳卒中患者でも入院中や退院後も活動量が非常に少ないことが問題であり今後の課題でもあります。

どのくらい運動すると良い?

 脳卒中患者であっても適度な運動はした方が良いとの報告があり、70歳以上の患者であれば健常高齢者に推奨される、男性6,700歩、女性5,900歩、エネルギー消費量では1週間に1000kcal(142kcal/day)以上の身体活動を行う必要があると考えられます。
 もちろん脳卒中患者は、高血圧や糖尿病、心疾患などの多くの合併症があり、運動負荷には注意を要します。医師やリハビリテーション(以下リハビリ)スタッフなどと相談し、そのようなリスクに対して注意していきましょう。

脳卒中の予防のためにも日々動きましょう。

 脳卒中は予防が大切です。脳卒中にならないためにどのくらい歩けば良いかもわかってきています。脳卒中の予防には1日5000歩、そのうち7.5分は中強度(早歩き)の歩行が効果的との報告があります。また脳卒中発症と深い関係のある、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防には1日8000歩、そのうち20分は中強度(早歩き)の歩行が効果的との報告があります。是非この数値を目標に健康の維持増進に努めて頂ければと思います。

中之条研究より