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世田谷リハビリテーション病院 > リハビリテーションコラム > 【第11回】サルコペニアについて

リハビリテーションコラム

2022.10.31

【第11回】サルコペニアについて

サルコペニアとは

引用:健康長寿ネット

サルコペニアとは加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことを指します。
65歳以上の高齢者の15%程度がサルコペニアに該当すると考えられています。サルコペニアの割合は加齢に伴って増加すること、女性よりも男性で高くなることなどの特徴があります。筋肉は40歳頃から少しずつ減少し、70歳を超えた頃から自覚症状を認めるようになります。

サルコペニアの可能性がある症状や兆候

引用:Reライフ.net

症状として
・転びやすくなる、頻繁につまずく
・歩くスピードが遅くなる
・握力が低下してペットボトルの蓋が開けにくい
・短距離の移動や立っているだけでも疲れやすい
・手すりにつかまらないと階段を上がるのが困難

★指輪っかテスト
ふくらはぎの一番太い部分に、両手の親指と人差し指を合わせるようにして輪を作ります。輪でふくらはぎを囲むことができない、もしくは指の先が合う程度でちょうど囲めるぐらいであれば問題ありません。しかし、指がしっかりと重なる、ふくらはぎと輪の間に隙間ができる場合はサルコペニアの可能性が高くなります。

サルコペニアの原因

引用:健康長寿ネット

サルコペニアは、加齢に伴う様々な変化によって引き起こされます。例えば神経系の問題、慢性的な炎症状態、酸化ストレスという身体のさびのような問題、成長ホルモンや性ホルモンの減少などです。このような様々な要因が関係していると考えられている中で、若いころと同じような状態まで戻ることは難しいですが、日々の習慣により改善可能とされているのが運動と栄養になります。

サルコペニアに対する運動と栄養

引用:関節の広場 引用:関節の広場 引用:封入体筋炎患者闘病記

サルコペニアの予防や治療に対して運動を実施することが推奨されています。特に筋力トレーニングが有用と考えられており、筋肉の力・機能・量などの改善効果が示されています。また、このような運動には日常生活での基本的な動作能力を改善させることや、転倒を予防するような効果も示されています。運動の内容としては、椅子に座った状態でのもも上げ運動や膝伸ばし運動などがあります。また、ウォーキングや水泳などの有酸素運動を組み合わせれば、サルコペニアの予防や改善に効果的とされています。
運動と同様に重要と考えられているのがタンパク質の摂取です。タンパク質は筋肉を作る上で不可欠な栄養素とされています。1日で体重1㎏あたり1.2~1.5g程度のタンパク質摂取が必要とされています。タンパク質は肉、魚、大豆、卵、乳製品などに豊富に含まれます。なお、タンパク質をとることだけが大切というわけではなく、主食や副菜などもバランスよく摂ることが大切です。

おわりに

運動や食事を習慣化させる必要があります。例えばカレンダーにその日の歩数や筋力トレーニングの回数など、日々の活動を見える化することをお薦めします。行動を見える化することで様々な気づきがあり、習慣化への第一歩になると思います。サルコペニア対策から健康長寿を目指しましょう。
【参考・引用文献】
・健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/sarcopenia-about.html
・健達ねっと https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/15681
・サルコペニアとフレイル J-Stage 沓澤智子