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リハビリテーションコラム

2023.03.04

【第15回】転倒しないように健やかに暮らすには

高齢者の転倒による死亡数は交通事故の3倍以上

買い物などの外出する際に、車に気をつけている方は多いと思います。しかし、転倒に対してはいかがでしょうか。
厚生労働省が発表している2018年の「人口動態統計」によると、65歳以上の高齢者の「不慮の事故」の死亡数は34,802人となっています。その中で「転倒・転落・墜落」は最も多く、「交通事故」の2,646人に対して、3倍以上の8,803人となっています(図1)1)

転倒は介護が必要となる原因

厚生労働省が発表している2019年の「国民生活基礎調査の概況」によると、「認知症」、「脳血管疾患」、「高齢による衰弱」に次いで、「骨折・転倒」は介護が必要となった原因の第4位となっています(図2)2)
介護の必要がなく、健康的な生活を送るには、転倒を予防することが重要です。

自宅内での転倒

実際に起きている転倒のきっかけは、「ベッドから降りるとき」、「バスマットやじゅうたんに足をとられる」、「寝起きや就寝中にトイレに行こうとしたとき」などが報告されています。また、「階段で足を踏み外す」など階段でのけがが最も多いと報告されています3)。
そのため転倒を予防するには、じゅうたんがめくり上がらないように工夫すること、階段に手すりを設置することや足下が暗くならないように照明器具を使用することが必要です。

家屋調査(自宅の環境、動作の確認)

世田谷リハビリテーション病院(回復期病棟)では、退院後の自宅での生活を安全に送れるように、家屋調査を行っています。家屋調査とは、退院前に患者様ご本人とご家族と一緒に、理学療法士・作業療法士などのリハビリスタッフがご自宅に訪問します。そして、自宅の環境や実際の生活動作を確認して、退院後の生活を転倒することなく安全に送れるように、手すりの設置の提案や照明器具の交換などの環境調整を行います。

健やかに自宅で生活を長く送れるように

高齢者は、加齢により筋力やバランスが低下します。また、持病や内服している薬剤の影響により、転倒しやすくなるとされています。一度転倒すると、骨折をしていなくても転倒に対する恐怖感から、外出を控えて引きこもりがちな生活となる危険性があります。そして、さらに筋力やバランスが低下して、転倒しやすい状態となってしまいます。
そのため転倒を予防して、健やかに自宅で生活を送るためには、筋力やバランスが低下しないように、適度な運動を行うことや手すりを設置するなどの環境を整備することが重要です。

【参考・引用文献】

1)厚生労働省:平成30年(2018)人口動態統計(確定数)の概況.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei18/

2)厚生労働省:2019年国民生活基礎調査の概況.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/06.pdf

3)独立行政法人国民生活センター:医療機関ネットワーク事業からみた家庭内事故-高齢者編.2013.
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20130328_3.pdf