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世田谷リハビリテーション病院 > リハビリテーションコラム > 【第29回】認知症とリハビリテーションについて

リハビリテーションコラム

2026.8.3

【第29回】季節を感じる院内装飾~楽しみながら取り組むリハビリ~

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当院では、七夕や梅雨、クリスマス、お花見など、季節に合わせた院内装飾を患者さんと一緒に制作しています。デイルームや病棟内、リハビリ室を彩る飾りは、患者さんやご家族からも「季節を感じられて嬉しい」「今度は何を作るの?」と好評です。

こうした装飾飾りは、院内を華やかにするだけではなく、リハビリの一環としても大切な役割を担っています。

飾りを作る工程では、折り紙を折る、はさみで切る、のりを塗る、紙を貼る、色を塗るなど、さまざまな作業を行います。これらの動作は、指先を細かく動かす力(手指の巧緻性)や、手と目を協調させる力を自然に使うため、手の機能訓練につながります。また、姿勢を保ちながら一定時間作業を続けることは、体幹機能や持久力・集中力の維持・向上にも役立ちます。

さらに、「どの色を使おう?」「どこに飾るときれいかな」と考えながら作業・飾り付けをすることで、注意力や計画性、空間を捉える力などを働かせる機会にもなります。一人で黙々と作業するだけでなく、患者さん同士またはスタッフと相談したり、完成した作品について話をしたりすることで、自然なコミュニケーションが生まれ、人との交流を楽しむ時間にもなっています。

リハビリというと、歩行練習や筋力トレーニングを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、日常生活には、指先を使う細かな動作が数多くあります。ボタンを留める、洗濯物をたたむ、食事の準備をする、文字を書くなど、生活に欠かせない動作の多くに手の機能が関わっています。装飾作りは、そのような日常生活につながる動きを、楽しみながら繰り返し練習できる活動の一つです。

また、自分たちで作った作品が病棟内に飾られることは、大きな達成感につながります。「これは私が作りました」「次はもっときれいに作りたい」といった前向きな気持ちが生まれ、リハビリへの意欲を高めるきっかけにもなっています。ご家族や他の患者さんから「素敵ですね」と声をかけられることも励みになり、自信の回復にもつながっています。

入院生活では、外出の機会が限られるため、季節の移り変わりを感じにくくなることがあります。七夕には願い事を書いた短冊を飾り、梅雨には色とりどりのあじさい、夏といえばひまわり・風鈴などを制作することで、「もう夏なんですね」「次は秋の飾りも作りたいね」と、季節を感じながら会話が弾みます。

リハビリは、「できないこと」を練習するだけではありません。「楽しみながら体を動かす」「誰かと協力して一つの作品を完成させる」「季節を感じ、笑顔になる」。そのような時間も、心と身体の回復を支える大切なリハビリの一つです。

これからも患者さんとともに、季節を感じられる温かい病棟づくりに取り組んでいきます。当院へお越しの際は、ぜひ病棟内の装飾にも目を向けてみてください。ひとつひとつの作品に、患者さんの努力や思いが込められています。
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