日本人は主なタンパク質源として魚よりも肉を選んでおり、その傾向は年々増加してきています。
1999年の1人1日当たりの摂取量は20~29歳で83.6gだったのが2019年には50.8gと大幅に減少しています。農林水産省による「食料・農業及び水産業に関する意識・意向調査」においては肉類に比べて魚介類を購入する理由について、「健康に配慮したから」と回答した割合が75.5%と最も高く、次いで「魚介類の方が肉類よりおいしいから」となっています。一方、肉類と比べて魚介類をあまり購入しない理由については「肉類を家族が求めるから」と回答した割合が45.9%と最も高く、次いで「魚介類は価格が高いから」、「魚介類は料理が面倒だから」などがありました。
魚や貝類は優れたタンパク質源であり肉類より脂肪が少ないです。
100gあたり15~20gのタンパク質を含んでおりこの量は多くの成人の1日分の必要量の約1/3にあたります。
EPAとDHAを十分に摂取するのに魚を食べるのが良いとされています。EPAとDHAには循環器系や認知機能の健康向上との関連が見つかっています。例えば脂肪の多い魚を食べている人は脳の重要な機能的組織で記憶と関係がある灰白質が多いという研究があります。
これらは食事でからしか得られず、多くの人は摂取量が十分ではないと言われています。
地中海食のように日常的に魚を食べる食生活は一般的に過体重や肥満のリスクの低さと関連しています。
アメリカで男性4万人以上を対象とした調査では魚を週に140g以上食べる人は、心臓疾患を発症するリスクが15%低いという結果になりました。
魚は加工食品とは違い、冷凍や缶詰の魚介類は生のものと栄養価が変わりません。魚の缶詰は水煮のものを選びましょう。塩調味料を使ったものは塩分が多くなり、油を使っているとEPAやDHAが溶け出してしまう可能性があります。
サプリメントによる魚油の摂取は、バランスの取れた食事の中で魚を食べることの代わりにはなりませんが魚を食べない人には効果があるといわれています。
DHA/EPAを多く含む魚
・クロマグロ
・サバ
・ブリ
・ウナギ
・サンマ
参考文献:農林水産省HP、食事と栄養の科学大図鑑/リアノン・ランバート